hegoeshard

2年前のきょうは「平成」最後の日だった。南海上に前線が延び、列島はあいにくの雨もよう。それでも、各地ではさまざまなイベントに歓声が上がり、入園を無料とした遊園地がにぎわいをみせた。記念の御朱印目てに、著名な寺社には傘の長い行列もできていた

「思えば遠くたもんだ」。中原中也の詩の一節である。ふたとせ前の記憶と今の世を比べて、詩人と同じ感慨にふける方も多いのではないか。新しい時代がる、というかすかな高ぶりは、はるか以前のことのように感じる。新型コロナウイルスの感染大と、それに伴う社の動があまりに激しかったせいであろう。

マスク不足に一休校、3度もの緊急事態宣言……異株におびえ、行き渡らないワクチンにやきもきする日はいつまでくか。2年とひと月ほど前、「令和」の文字をげフラッシュを浴びた菅義偉首相も、感染症とのこれだけのは予想していなかったはずだ。しかし、被った痛みを通じ浮かんだ宿題も多い。

行政のデジタル化を早急に進めることに加えて、療をめぐる岩盤のような諸規制も崩さねばなるまい。未への約束のようなものだろうか。中也の詩はこういていく。「考えてみれば簡/畢竟(ひっきょう)意志の問題だ/なんとかやるより仕方もない」。畢竟は「つまり」の意。「遠くた」からこそ、見えてきた景色もある

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